今回のブログでは、ボーエ・モーエンセンの名作、Model: 2226 通常「スパニッシュチェア」についてご紹介いたします。
スパニッシュチェアは1959年にモーエンセンによってデザインされ、現存するデンマーク家具メーカー、FREDERICIA社(フレデリシア)によって製作されたチェアです。
FREDERICIA社はモーエンセンをはじめ、ナナ・ディッツェルやハンス・J・ウェグナーなど数多くのデザイナーと今日に至るまで名作を生み出していますが、その中でもスパニッシュチェアはFIREDERICIAのブランドアイコンといえるでしょう。
モーエンセンはスペインを好み、何度かスペインに家族旅行に出かけた際、現地の建築や家具などから幾度となくインスピレーションを受けてきたと言われています。
その中でも、スペインの貴族階級に使われていた一枚革の木製椅子のアームの幅広さに感動したモーエンセンは、そこからインスピレーションを受けてスパニッシュチェアをデザインしました。
スパニッシュチェアは、チェアとアーム本来の機能としてだけでなく、新聞やコーヒーを置けるという2つの機能を持つように通常のアームよりも幅広くデザインされています。
スペインの伝統的な椅子の様式をそのまま再現するのではなく、独自の解釈により、よりシンプルにリデザインしているところがデザイナーの技量を感じさせます。
スパニッシュチェアの一枚革は、適度なしなりが心地よく、使うほどに柔らかくなり体に馴染んでいきます。レザーの伸長に合わせて、座面裏のベルトで自分で締められる仕様になっているのも、実用性を大切にしていたモーエンセンらしい心遣いが感じられますね。
もちろんベルトを使用したデザインの美しさと格好良さも、スパニッシュチェアが長くにわたり愛される理由の一つでしょう。
スパニッシュチェアは元々、モーエンセンの自邸用にデザインされたものであり彼自身も愛着を持って毎日使用していたようです。
余談ですがハンス・J・ウェグナーもモーエンセン邸から100mほどのところに住んでいたそう。本当に二人は仲が良いですね。
モーエンセンは仕事場としてのアトリエを自宅の地下に持ち、そこで彼は毎日図面を書いたりデザインをしていたそう。
食事の際やリラックスする際は1回に上がって妻のアリスとくつろぎのひとときを楽しんでいたそうで、きっとそうした時間にスパニッシュチェアに腰掛けて会話を楽しんだり、ウィスキーや葉巻を楽しんだりしていたのでしょう。
SUPER VINTAGEのスパニッシュチェアは、レザーの状態が非常に良いため買付地のデンマークから張り替えをしていない状態で保管しております。
皆様ぜひ一度その美しさと快適さを体験しにきてください。