今回のブログでは、グレーテ・ヤルクがデザインをしたチェア、Model: 168 通称 “Grand Danois” チェアについてご紹介いたします。
“Grand Danois”とはフランス語で、直訳すると「グレート・デン」になります。
グレート・デンといえばドイツ出身の超大型犬が思い浮かぶかもしれませんが、ここでの意味はおそらく”Grand”(大きな、偉大なる)、”Danois”(デンマーク)、つまり「偉大なるデンマークのチェア」というところでしょう。
“Grand Danois”チェアは、女性デザイナーならではの繊細な曲線を描くアームの美しさや、滑らかで華奢なウッドフレームのフォルムが特徴です。
メーカーであるFrance&son(フランス&サン社)は、ピーター・ヴィットとオルラ・ムルガード・ニールセン、フィン・ユールやグレーテ・ヤルクなど名だたるデザイナーの作品製造を手がけたメーカーとして知られています。
同社の起源は、1930年頃にデンマーク人のエリック・デヴァーコセンとイギリス人のチャールズ・フランスの2人が、マットレスのメーカー “Lama” として創業したこと。
その後、惜しくもエリック・デヴァーコセンは若くして亡くなってしまうのですが、彼の意志と情熱を守り、チャールズ・フランスが France & Daverkosen(フランス&デヴァーコセン社)を設立しました。
1957年にシャルルフランスの息子を経営陣に加え、France&son(フランス&サン社)と社名を変更し、1966年ポール・カドビウスのCADO社に事業を継承後、最後はフランス&フランス社へと改名していますが、1970年代頃に事業を閉鎖しており、現在ではヴィンテージ品のみが市場に出ています。
フランス&サン社製の作品は無垢材を繊細に加工する技術力が魅力であり、フィン・ユールのデザインする曲線の多いアームやフレームなどを大変精巧に製作しています。
“Grand Danois”チェアも、人の背骨の形に沿うように緩やかなS字カーブに曲げられた背もたれが大変美しく、また体にフィットするため人の体に負担がかからないよう設計されています。
その上質な座り心地を、皆様ぜひSUPER VINTAGEのコンシェルジュルームにて体感しにいらしてください。