ウェグナーのデザインした200種類以上のチェアの中でも、おそらく日本で一番知名度の高いチェアはこの「ウィッシュボーンチェア」、通称「Yチェア」でしょう。

 



1949年にデザインされたこのチェアは、現在も和食料理店をはじめとするレストランやホテル、別荘地などで度々使用されており、世界各国で愛され続けています。


脚部から背にかけての流れるような美しいフォルムは、軽やかで圧迫感がなく用途や置く場所に制限がありません。柔らかい曲線を描く背もたれは、1本の木材のパーツを蒸気によって曲げる“曲木加工”という技術によって仕上げられています。パーツ自体を曲げる加工方法のため、無駄な木と木の接合面がなく、金具も使用されていないため、手触りも滑らかで木本来の素材の持ち味を活かした仕上がりになっています。

実際に座ってみると、自然な体制で身体を預けることができる上に、様々な座り方でくつろぐことができます。人の体の構造や、木について知り尽くした木工職人であるウェグナーだからこそ生み出すことのできた、天然素材の持ち味を最大限に生かした椅子と言えるでしょう。



ウィッシュボーンチェアというその名前の由来は、主に鳥類の体の中に存在する骨の部位からきています。鳥類には、左右の鎖骨が体の中心で連結融合し,1個のV字形の骨になっている特殊な構造の骨があります。これが、暢思骨(ウィッシュボーン)と呼ばれており、そのV字の形がYチェアの背面のデザインと類似していることからウィッシュボーンチェアという愛称で親しまれることとなったそうです。


SUPER VINTAGEで現在取り扱っているモデルは、輸入後に国内で職人の手によってペーパーコードを引き直したモデルです。ペーパーコードの引き直しは大変難易度が高く、日本国内でも対応可能な職人は非常に限られています。


SUPER VINTAGEでは、ヴィンテージのデザイナー家具修理・張り替えを専門とするプロの職人へ依頼をし、1脚1脚丁寧に仕上げをしていただいています。


その快適な座り心地を、ぜひ一度試しにいらしてください。

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