今回のブログでは、ハンス・J・ウェグナーの数多くある彼の代表作品の中から、ザ・チェアについてご紹介します。
ウェグナーはデンマークはもとより、日本でも大変人気の高いデザイナーであり、その生涯で数百という数の家具をデザインしてきましたが、その数多くのデザインの中でも一番代表的なものと言えるのが1949年にデザインされた、この“ザ・チェア”でしょう。
有名な逸話ですが、ザ・チェアが世に知られたきっかけは、1960年のアメリカ大統領選テレビのテレビ討論会でジョン・F・ケネディが座った事でした。
腰痛を持っていたケネディは、楽に座ることができ、それでいて座っている自分が堂々として美しく見える椅子を探した結果、こちらのザ・チェアにたどり着いたといわれています。
椅子としての存在感・美しさを持ちつつ、過度に主張しないザ・チェアのデザインは、「椅子だけで存在するときはただただ美しい椅子であり、人が座ると途端に椅子の存在が消える(座った人が主役となり、その人を美しく見せる)」、このような椅子なのです。
ザ・チェアには座面がレザー張りのものと籐張りの2種類があります。張り地によってチェア本体の構造が変わることから、レザー張り(Model.503)と籐張り(Model.501)は異なる2つのチェアとして発表されました。
SUPER VINTAGWでは両方の張り地のザ・チェアをお取り扱いしております。
レザーのモデルは、PPモブラー社製のモデルであり、ウェグナー生誕90周年記念に限定製作された、大変希少な作品です。こちらはその当時製作された90脚のうち、49脚目の作品です。
籐のモデルは、ヨハネス・ハンセン社で製作されたモデルです。
ヨハネス・ハンセンでザ・チェアが製作された期間は、発表の1949年から1977年代というわずか29年間のみでした。1977年代以降はPPモブラーにて製作がされています。
ヨハネス・ハンセン社は1940年からハンス・J・ウェグナーと共作を始めたことから人気を集めました。近年は高級ヴィンテージ家具のオークションでしばしば出品され、美しさと稀少さゆえ高価格で取引されています。