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品番:VT005
サイズ:W82×D60×H67.5cm
デザイナー名:Borge Mogensen/ボーエ・モーエンセン
メーカー名:FREDERICIA/フレデリシア
デザイン年:1959年
製造番号:2226
庶民の味方と呼ばれたモーエンセンは狭い家の空間を有効利用し、一般家庭でも手頃な価格で買える良質な家具の創作を目指しました。
モーエンセンはスペインを好み、何度か家族旅行に出かけた際、幾度となくインスピレーションを受けてきました。その中でも、スペインの貴族階級に使われていた一枚革の木製椅子のアームの幅広さにインスピレーションを受け、チェアとアーム本来の機能としてだけでなく、新聞やコーヒーを置けるという2つの機能を持つようにデザインした椅子です。スペインの伝統的な椅子の様式をモーエンセンが自身の解釈により、よりシンプルにリデザインしました。当時、車の普及により仕事を失った馬具職人の救済をも考慮された一枚革のデザインがいかにも庶民派のモーエンセンらしく、時が経つにつれて伸びてくる一枚革は座面裏のベルトで自分で締められる仕様になっています。力強く素朴で美しいパーソナルなチェアです。
Borge Mogensen(デンマーク・1914-1972)/ボーエ・モーエンセンについて
ハンス・J・ウェグナーやフィン・ユールと並ぶデンマークを代表する家具デザイナー。
余分な装飾を排し、無駄の無い構造の美を追及したモーエンセンは、デンマーク王立芸術アカデミーの前身であるデザイン学校の家具学部でコーア・クリントに師事。その後も助手としてクリントからデザインを学びました。デンマーク王立芸術アカデミーで、クリントが唱えていた人体構造に重きをを置くデザイン手法や、その思想に深く傾倒しましたが、装飾的でエレガントな場所に向けて家具をデザインしたクリントに対し、モーエンセンは一般庶民のための家具、そして量産システムに乗りやすい家具のデザインに特化してデザインをしていました。
1934年に家具職人としての修業を終えると、モーエンセンは次に家具デザインについても本格的に学び始め、同時にコーア・クリントやモーエンス・コッホのデザインスタジオに勤務しましま。デンマークの生活協同組合FDBの家具部問のチーフデザイナーに任命される1942年までこれを続け、就任後は品質が良く、手頃な価格の一般消費者向けの家具をデザインしました。
彼の作品は常に大衆目線のデザインで、デンマークの近代家具の中でもひときわ機能的で丈夫な家具が多く、家具デザインの構造の簡素化と細部に人の手を必要とする職人技術を追求し続けました。シェーカー家具を基に、シンプルで使いやすく丈夫な家具をデザインしたことで知られています。