今回のブログでは、ハンス・J・ウェグナーやフィン・ユールと並ぶ、デンマークを代表するミッドセンチュリーのデザイナー、ナナ・ディッツェルについてご紹介いたします。
ナナ・ディッツェルは1923年コペンハーゲン生まれのデンマーク人女性デザイナーです。ディッツェルは家具デザイナーとしてだけではなく、ジュエリーデザイナーとしても活躍していました。
デンマークデザインの黄金期として知られる第二次世界大戦後活躍したスカンジナビアンデザインを代表するデザイナーの一人である彼女は、1943年、20歳のときに工芸美術学校に入学します。
そこで学んだ「機能性を優先しつつ美学から家具をデザインしていく」というコーア・クリントの家具理論が、ナナに大きな影響を与えたと言われています。
卒業後の1946年、夫であるヨルゲン・ディッツェル氏(1961年没)とともに事務所を設立しました。
その後本格的に家具デザイナーとして活動を始めた彼女は、ミラノトリエンナーレにて数々の賞を受賞しており、さらに1960年に開催されたミラノトリエンナーレでは、金賞を受賞するなど大きな活躍を見せます。
ディッツェルのデザインには女性的な優しさや、自然の美しさに対する敬意が全面にあらわれているのが特徴です。
彼女自身も、「草花の美しさや、生物や昆虫のフォルムなど、自分が美しいと思ったものをデザインに生かしている」と語っており、彼女ならではの感性の豊かさと、デザインに込める優しい愛情が伝わってきますね。
ディッツェルは家具デザインなどとともにテキスタイルのデザインも行なっており、彼女がデザインを手がけたデンマーク・Kvadrat (クヴァドラ)社の「Hallingdal 65」シリーズは現在も広く世界中で愛され続けています。
彼女がデザインを手がけたNDシリーズの家具にも、もちろんこの「Hallingdal 65」ファブリックが使用されています。
次回のブログでは、彼女がデザインを手がけた家具を実際にご紹介したいと思います。
ぜひお楽しみに、お待ちください。