今回のブログでは、デンマークを代表する女性デザイナーの一人、グレーテ・ヤルクについてご紹介いたします。
グレーテ・ヤルクは1920年、デンマーク・コペンハーゲン生まれのデザイナーです。
芸術工芸学校でデザインについて学びを深めた後、1950年から10年間、王立美術アカデミーにてコーア・クリントに師事しました。
1953年に独立後は、革新的なデザインの作品を数多く生み出していきます。
彼女の作品の中でも、アアルトやイームズのデザインに影響を受けて実験的に制作された「GJ Chair」は一番の名作として知られており、積層材を折り紙のように組み上げた形状がユニークな作品。イギリスのデイリーメール家具コンペで優勝したことでも知られています。
出典:Wikipedia
GJ chairは座面と背面が芸術的な角度で曲げられた斬新なデザインで人々の注目を集めましたが、その複雑な構造ゆえに当時は300脚程しか生産されませんでした。現在はニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久保存作品にもなっています。
それ以外にも、毎年彼女が出品していたキャビネットメーカーズギルド展示会のために作った作品でも彼女の作品は注目を集め続け、多くの人にその名が知れ渡るようになりました。
北欧家具の黄金期と呼ばれる1960年代に活躍した当時では、成功を収めた女性デザイナーは珍しく、有名なデザイナーだとグレーテ・ヤルク以外にはナナ・ディッツェルなどがいますね。
ヤルクの作品は多様性があり、個々の作品によってその表情がガラリと変わります。
多才な彼女はその時々の人々のニーズや流行を巧みにデザインに取り入れ、女性らしい柔軟さと遊び心を上手に取り入れた作品を多くデザインしました。
彼女は多くの作品において、当時まだ新しく浸透していなかったような素材を使ったり、製造過程を変えて、デザインの実験をしていたそうです。
また、こうした先進的な取り組みを行う一方で、コーヒーテーブルなどはリビングで求められる多機能性を重視した設計を行い、細やかな気配りの効いた家具たちは半世紀以上を経た現在でも色あせない魅力を持っており世界中で愛され続けています。
さらに家具デザインだけでなくデザイン史、40年間のキャビネットメーカーズギルド展を編集者として書き残す偉業も成し遂げており、幅広い業界でマルチに活躍をし続けていました。こうした経歴を見ても、いかに彼女がエネルギッシュで情熱に溢れていた人物なのかが伝わってきますね。
そんなグレーテ・ヤルクのデザインした“Grand Danois”チェアをSUPER VINTAGEではお取り扱いしております。
ぜひ皆様、一度彼女の素晴らしい作品をコンシェルジュルームにてお試しくださいませ。