今回のブログでは、ニールス・オットー・メラーがデザインしたチェア、Model: 56 についてご紹介いたします。
チェア Model: 56は1954年にニールス・オットー・メラーによってデザインされ、自身の工房であるJ.L.Moller(JLメラー)から発表されました。
滑らかに曲線を帯びて削り出されたチーク無垢材のフレームと、ペーパーコードの座面がなんとも軽やかなチェア。
シンプルなデザインながら、背もたれやアーム部分の絶妙なカーブに彼の曲線美への絶対的なこだわりが感じ取れる逸品です。
デザイナーであるニールス・オットー・メラーは木材を主とした、伝統的な職人の手仕事と合理的形態が美しく調和したデザインで知られる、デンマークを代表する家具デザイナーで家具職人です。
1920年、デンマークに生まれたメラーは1944年には自らの制作工場を持ち、デザイナー、そしてプロデューサーとして自身の作品を多数世に送り出していきました。
1974年と1981年にはデンマーク家具製作協会賞を受賞しており、機械を使い徹底した合理化のもとに製品を生み出しているにもかかわらず、そのディテールは職人の手によって丁寧に仕上げることを徹底しており、みごとに機械と職人の両者が調和した良質の家具を作り続けてきました。
伝統的職人気質を保ち続け、一方で合理化を徹底的に突き進めるメラーのその手法は、細部にわたる品質と時代にとらわれないエレガントさで今も世界中から高い評価を受けています。
そして先述した通り、彼は本チェアの製造元でもある JLメラーの創設者でもあります。
JLメラーは1944年に創業したデンマークのHøjbjerg(ホイビュル)という街にある古い家具工房です。 この工房では、メラー自身がデザインした椅子やテーブルを半世紀経った今でも作り続けており、その伝統を大切に守り続けている由緒正しい工房です。
現在は3代目でニールス・オットー・メラーの孫のKirsten Møller(カーステン・メラー)が工房の運営をしています。
製品の作り方は全てニールス・オットー・メラーがいた時と全く変わらず、同じ製法で作り続けられています。
木材を削り出すのに使用されている機械も70年代にニールス・オットー・メラーが購入したものを50年以上経った今もメンテナンスしながらずっと使い続けているそう。彼の細部に渡るこだわりをしっかりと守り続けていることがこのエピソードからも伺えますね。
Model : 56の丁寧に編み込まれたペーパーコードと、滑らかに削り出されたチーク無垢材の美しさからもその伝統と高い技術力が見て取れます。
皆様もぜひ一度コンシェルジュルームにて、このチェアの魅力を体感しにきてください。