前回のブログではアルネ・ヤコブセンの名作、セブンチェアについてご紹介しましたが、今回は同氏のセブンチェアと並ぶ名作、アントチェア(FH3100)について詳しくご紹介します。



 

アントチェア(アリンコチェア)は1952年に誕生した、ヤコブセンの名作家具の一つです。

 

同年にヤコブセンが建築した製薬会社、「Novo Nordisk A/S(ノボノルディスク社)」の社員食堂のためにデザインされ、フリッツ ハンセン製作のブラジリアンローズウッドを使用して初期モデルは製作されました。

 

初期モデルは素材が希少であることはもちろん、本体の厚みも現行品に比べて薄くシャープになっているのが特徴です。

 

完璧主義者と言われていたヤコブセンが美しさを追求した結果、限界までプライウッドを薄くしたことがうかがえます。



この初期モデルは3本のレッグから構成されていることも特徴の一つであり、食堂の丸いテーブルになるべくたくさんさせるように、との考えから3本脚となりました。

現行モデルのアントチェアは3本足のほか、4本足のものも作られています。



プライウッドも当初より容易にこの薄さを実現できたわけではなく、研究段階では薄さを出すことによってひび割れや歪みは生じやすくなってしまっていたため、そうした箇所を削り取っていくうちにこの蟻のような形に最終的にたどり着いたと言われています。

 




 

アントチェアはあまりにも前衛的なデザインであったことから、製造元であるフリッツ・ハンセン社からも当初は製作・販売に対して懐疑的な声が上がっていました。

 

しかし、アントチェアに強い情熱を持っていたヤコブセンが、もし売れ残ったら自分が全部買い取るからとりあえず製作して欲しい、と話したことから製作が実現したそうです。




アントチェアは世界で初めて実現された、背と座を一体にした構造のチェアであることでも有名ですね。それまでのチェアは背と座が分かれていることが当然であったため、このデザインが誕生した時はいかに世間が衝撃を受けたかが容易に想像できます。常識を打ち破り美を追求する、ヤコブセンの想像力がいかに排他的で秀でたものであるかがこの逸話からも伺えます。




またそのほかの逸話としては、ヤコブセンの事務所でアントチェアの開発時に従事していたVerner Panton(ヴェルナー・パントン)の存在がアントチェアの開発に大きい役割を果たしていたと言われています。

パントンといえば、日本でもおしゃれなカフェやご自宅で頻繁に目にするルイス・ポールセン社製作の照明や、ヴィトラ社製作のパントンチェアなど、現在も愛され続ける数々の名作を残しています。



( TOKYO APARTMENT STORE / ヴェルナー・パントン フロアランプ )

 

ヴェルナー・パントンデザインの照明はSUPER VINTAGEの姉妹店である、TOKYO APARTMENT STOREで希少なヴィンテージ品を取り扱っていますので、気になる方はぜひ上記リンクよりご覧ください。

 


 

 

約70年前に誕生したこちらのアントチェアは大変希少なモデルです。SUPER VINTAGEでは最大4脚、数を揃えて購入いただくことも現時点では可能となっておりますので、気になる方はぜひお早めにご検討くださいませ。

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