今回のブログからは、フィン・ユールの名作家具たちをいくつかご紹介いたします。



本日ご紹介するのは、ユールが1954年にデザインしたイージーチェアModel: FD133、通称「スペードチェア」です。




 

 

スペードチェアは量産を目的とされたモデルではありますが、その緩やかに美しく曲線を描いたアームと木球を用いた特徴的なパーツがユールらしく他に類を見ない、彼の名作モデルの一つと言えるでしょう。





 

 

 製造はデンマークの家具メーカーFrance & Daverkosen(現在France & Son)社が手がけており、同社は1957年に「France & Son」に社名を変更していることから、当商品は1950年代に製造したものということがわかります。



 

 

SUPER VINTAGEで仕入れているスペードチェアは、発表からわずか3年の期間に製造されたものにしか押されていない「fd(France & Daverkosen)」の刻印は刻まれているモデルであり、このチェアがいかに希少なモデルであることかがこのことからもおわかりいただけるでしょう。





製造メーカーであるFrance & Daverkosenについてもここで少しご紹介します。 France & Daverkosenは、1930年頃にデンマーク人のエリック・デヴァーコセンとイギリス人のチャールズ・フランスによって、当初はマットレスメーカー「Lama」として創業しました。




創業者であるエリック・ダヴァーコセンは37才の若さで亡くなってしまいますが、その後も創業パートナーであったチャールズ・フランスがダヴァーコセンの意思を引き継ぎ、それまで培ったマットレス生産の技術を活かしたソファやイージーチェアをメインとする家具メーカー「France & Daverkosen(フランス&デヴァーコセン)」を1948年に設立したのです。 






当時、チーク材は天然樹脂成分によりすぐに刃物の切れ味が悪くなってしまうことから量産の家具には不向きとされていました。しかしタングステンカーバイドという超合金の刃が開発され、1953年にチーク材による初の量産家具として生産されたのが、このフィン・ユールによるデザインのスペードチェアだったのです。



その後、1957年にシャルルフランスの息子を経営陣に加えたため「France & Son(フランス&サン)」と社名を変更しました。

 

 

France & Sonの家具は量産家具ではありますがフィン・ユールをはじめとする著名なデザイナーによってデザインされ、量産家具とは思えないデザイン性が高くハイクオリティのモデルを多数生み出しました。


当時はユール以外にも、アルネ・ヴォッダーやグレーテ・ヤルク、ピーター・ヴィッツ&オルラ・ムルガード・ニールセンなど多数のデザイナー家具の製作を手掛けており、その信頼の高さが伺えます。




品質管理も非常に厳しいこだわりと自信を持っており、デンマーク家具の品質維持を目指した団体である「DANISH FURNITURE MAKERS’ CONTROL」へに対しては自分たちの管理の方が優れているとして、加入をしなかったほどでした。

 



DANISH FURNITURE MAKERS’ CONTROLの品質管理基準も決して簡易なものではなく非常に厳しいものですから、いかにFrance & Sonの品質管理基準が厳格なものであったかがわかります。






SUPER VINTAGEのスペードチェアはレザーの状態が良いため、張り替えを行っていない状態でお取り扱いをしております。

お張り替えをご希望の場合は、別途ご相談をさせていただきますのでお気軽にご相談くださいませ。(張り替え費用別途)

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