今回は、前回のブログでご紹介したデンマークを代表するデザイナーの一人である、カイ・クリスチャンセンが実際にデザインした家具をご紹介いたします。
まず一つ目は、クリスチャンセンによって1960年代にデザインされ、アクセル キアスゴーにて製作された小ぶりな2段チェスト、Model:394です。
このチェストは円形に彫り込まれたアート作品のような取手が印象的なデザインで、極限までシンプルに、余計なデザインを排除した、様々なシーンで活躍できる作品です。
クリスチャンセンらしい木の素材感を活かしたナチュラルなデザインとなっており、上下の2段に分かれたドロワーの取手は合わさる瞬間に分かれていたことを忘れてしまいそうな完璧な納まりになっています。
華奢な作りに見えますが、そこは流石家具職人として長い年月経験を積んだクリスチャンセンだからこそ成しうる、強靭さと丈夫さを併せ持った作りとなっています。
なお、このチェストにはdenish control/デンマーク家具品質管理委員会の刻印があります。
これはデンマークで1959年に家具の高い品質を維持・管理することを目的に設立された団体の名前です。当時の品質基準を満たしている家具に、この印が刻まれています。
二つ目のアイテムは、クリスチャンセンによって1954年にデザインされ、Schou Andersen Møbelfabrik/スコウ アンデルセン モベルファブリックによって製作された、Model: NV31です。
このチェアの特徴は、なんといっても背中を包み込むような優しい曲線で構成された背もたれと、クリスチャンセンらしい絶妙な角度と強弱のついた木脚でしょう。
背もたれから下に向かって内側に細く伸びていくデザインの脚先が、まさにカイ・クリスチャンセンらしい名作チェアです。
人間工学を知り尽くしたクリスチャンセンだからこそ実現することのできた、座る人が極力負担や重力を感じない仕組みになっており、何時間でも座っていられそうな心地よさがあります。
また、シンプルなデザインのため、ダイニングだけでなくデスクや玄関など、場所を選ばず配置するだけで美しいデザインです。
こちらのチェアは2023年8月にDanish art weavingのUrd stripeへ貼り替えております。
どちらのアイテムもクリスチャンセンの緻密な計算と素材を活かす才能を最大限に感じ取ることのできる貴重なアイテムです。
ご興味のある方は、ぜひお気軽に当店のコンシェルジュルームまで、ご予約をお待ちしております。